シリコンデンチャーとは?痛い総入れ歯に悩む方へ特徴・費用・注意点を解説2026/04/08(水)
こんにちは。大分市の歯医者、たけお歯科クリニックの院長 武生 智です。
「総入れ歯が当たって痛い」
「入れ歯が硬くて、食事がつらい」
「何度調整しても違和感が取れず、シリコンデンチャーとは何なのか知りたい」
このようなお悩みを持つ方は、大分でも少なくありません。
特に、顎の骨が痩せてきた方、歯ぐきが薄くて痛みが出やすい方、通常の入れ歯では噛むたびに強い刺激を感じる方にとって、入れ歯の“硬さ”は大きな問題になります。
結論から申し上げますと、シリコンデンチャーとは、入れ歯の内面にやわらかいシリコン系材料を用いて、噛んだときの負担や痛みをやわらげる義歯のことです。
ただし、すべての方に万能というわけではなく、向いている症例とそうでない症例があります。
この記事では、大分でシリコンデンチャーをご検討中の方に向けて、
「そもそもシリコンデンチャーとは何か」「従来の入れ歯との違い」「メリット・デメリット」「治療の流れと費用」「後悔しない選び方」
を、歯科医師の視点から分かりやすく、誠実にお伝えします。
【目次】
- シリコンデンチャーとは?
- 従来の治療法とシリコンデンチャーのメリット・デメリット
- 具体的な治療の流れ・期間・費用の目安
- 治療を成功に導くための見解
- シリコンデンチャーとは?に関するよくある質問
- まとめ
【H2】シリコンデンチャーとは?
シリコンデンチャーとは、義歯の歯ぐきに接する面にシリコン系の軟質裏装材を用い、噛んだときの圧力や痛みを緩和する入れ歯のことです。
日本補綴歯科学会の資料では、軟質裏装材にはアクリル系とシリコン系があり、シリコン系は経時的な物性変化が比較的少なく、高い耐久性を示すとされています。下顎総義歯で硬い義歯床では咀嚼時疼痛を回避しにくい症例が対象になりうることも示されています。
シリコンデンチャーの仕組み
通常の入れ歯は、硬いレジン床で歯ぐきを支える構造です。
これに対してシリコンデンチャーは、硬い土台の内面にやわらかいクッション層を持たせることで、咬合圧を分散します。
この「クッション性」があるため、特に次のようなケースで有効性が期待されます。
- 顎の骨が大きく痩せている
- 歯ぐきが薄く、硬い床で痛みが出やすい
- 入れ歯は入るが、噛むと痛い
- 義歯が安定しにくく、食事で外れやすい
システマティックレビューでは、軟質裏装材を用いた総義歯は、患者満足度、口腔関連QOL、咬合力などの改善に寄与する可能性がある一方、機能の持続期間や微生物汚染には注意が必要とされています。
どんな入れ歯にも使えるのか
結論として、シリコンデンチャーは“痛み対策に有効な選択肢”ですが、すべての入れ歯治療の第一選択ではありません。
噛み合わせそのものがズレている場合、入れ歯の形が大きく合っていない場合、義歯の設計自体に問題がある場合には、まずそこを見直す必要があります。
つまり、シリコンを入れればすべて快適になるわけではなく、診断と設計が前提です。
歯医者としてお伝えしたいのは、
「入れ歯が痛い=すぐシリコン」という単純な話ではなく、“なぜ痛いのか”を見極めたうえで、必要な方に選ぶ治療法であるという点です。
従来の治療法とシリコンデンチャーのメリット・デメリット徹底比較
結論から申し上げますと、シリコンデンチャーの最大のメリットは“痛みの軽減と噛みやすさの向上”であり、最大のデメリットは“メンテナンス性と経年的な管理の難しさ”です。
シリコンデンチャーとは何かを調べている方の多くは、「普通の入れ歯と何が違うのか」を知りたいはずです。
そこで、従来の硬い総入れ歯と比べながら、整理してみます。
従来の硬い入れ歯の特徴
- 義歯床が硬く、形態安定性が高い
- 修理や調整が比較的しやすい
- 清掃管理が比較的行いやすい
- 一方で、顎堤吸収が強い方では痛みが出やすい
シリコンデンチャーのメリット
- 歯ぐきに当たる衝撃をやわらげやすい
- 咀嚼時の疼痛軽減が期待できる
- 薄い粘膜や痩せた顎でも当たりがソフトになりやすい
- 「硬い総入れ歯が痛くて使えない方」に適応しやすい
日本補綴歯科学会の指針では、硬質材料の義歯床では咀嚼時疼痛を回避できない難症例に対して、軟質裏装材が選択肢になることが示されています。
さらに、シリコン系はアクリル系に比べて物性変化が少なく、高い耐久性を示すとされています。
シリコンデンチャーのデメリット
- 軟らかい材料ゆえに清掃性に注意が必要
- 長期使用では汚れや微生物付着の問題が起こりうる
- 経年的に張り替えや再調整が必要になることがある
- 通常の硬い義歯より修理や調整に制約が出ることがある
- 自費診療となることが多い
レビューでは、軟質裏装材は有益な結果をもたらす一方、長期使用での微生物汚染や機能持続期間への注意が必要とされています。
どんな人に向いているか
結論として、シリコンデンチャーが向いているのは「通常の総入れ歯の痛みが強く、硬い床では使い続けにくい方」です。
具体的には次のような方です。
- 総入れ歯を入れるとすぐ痛くなる
- 下顎の総入れ歯が安定しにくい
- 顎の骨がかなり痩せている
- 粘膜が薄く、硬い義歯床で傷つきやすい
- 調整してもなお食事時痛が残る
一方で、見た目だけを重視している方、清掃管理が難しい方、義歯の根本的な設計不良が原因の方には、別の治療アプローチが優先されることがあります。
具体的な治療の流れ・期間・費用の目安
結論として、シリコンデンチャー治療は“単にやわらかい素材を足す処置”ではなく、診査・設計・適合確認・完成後の管理まで含めて行う治療です。
- 初診・カウンセリング
まずは現在の入れ歯で何がつらいのかを確認します。
「噛むと痛い」のか、「外れやすい」のか、「擦れて傷になる」のかで、対処法は変わります。
歯医者としてここで大切にしているのは、患者様の“痛みの質”を具体的に把握することです。
- 診査・検査
口腔内の状態、顎堤の高さや形、粘膜の厚み、噛み合わせ、現在の義歯の適合状態を確認します。
必要に応じて、今の義歯を使って修正できるか、新製作が望ましいかを判断します
- 治療計画の立案
方法は大きく分けて2つあります。
- 既存義歯をベースにシリコン系材料で裏装する
- 新しい総入れ歯を製作し、その内面にシリコンを用いる
日本補綴歯科学会の資料では、一定の厚みを確保する必要があり、間接法が適用されることが示されています。製作方法としては、義歯床内面を削除し、裏装材を填入、余剰除去、重合、調整へと進みます。
- 型取り・咬合採得・試適
新製作の場合は、通常の総入れ歯と同様に精密印象や噛み合わせの記録を行います。
ここを丁寧にやらないと、シリコンのやわらかさがあっても快適性は出ません。
- 完成・装着
完成後は、実際に装着して当たりや安定感を確認します。
「軟らかいから最初から完璧」ということは少なく、微調整は必要です。
- 完成後のメンテナンス
結論として、シリコンデンチャーは完成後の管理が非常に重要です。
痛みの有無、汚れの付き方、内面の劣化、噛み合わせの変化を定期的に確認します。
期間の目安
- 既存義歯の修正・裏装:数回の通院で対応できることがあります
- 新製作:一般的な総入れ歯と同様、数週間〜1か月半程度が目安です
費用の目安
費用は医院や方法により差がありますが、自費診療となることが多いです。
新製作か既存義歯の修正か、使用材料、設計方針により変わるため、診査後に明確に確認することが大切です。
大分でシリコンデンチャーをご検討の方は、「総額に何が含まれるのか」「完成後の調整費やメンテナンス費はどうか」まで確認することをおすすめします。
治療を成功に導くための見解
結論から申し上げますと、シリコンデンチャー治療を成功に導く鍵は、“素材選び”よりも“診断・噛み合わせ・メンテナンス”です。
シリコンデンチャーとは何かを調べている方の中には、「やわらかい入れ歯なら痛くないはず」と期待される方が多いです。
確かに、適切な症例ではその期待に応えやすい治療です。
しかし、臨床の現場では、やわらかさだけでは解決できない痛みもたくさんあります。
当院で大切にしている考え方
- まず「痛みの原因」を分ける
入れ歯の痛みには、主に次のような原因があります。
- 義歯の適合が悪い
- 噛み合わせが強く当たりすぎている
- 顎堤の吸収が進み、支えが少ない
- 粘膜が薄く、硬い床で刺激が強い
- 義歯の動揺が大きい
このうち、シリコンデンチャーが特に力を発揮するのは、“粘膜や顎堤への負担が問題の中心になっているケース”です。
逆に、噛み合わせのズレが主因なら、そこを直さなければ快適にはなりません。
- 「やわらかい=何でも噛める」ではないとお伝えする
患者様に誤解されやすいのですが、シリコンデンチャーは“痛みの軽減”には有利でも、“入れ歯を天然歯と同じにする治療”ではありません。
ですから当院では、期待値を丁寧にすり合わせます。
この誠実な説明こそが、満足度を高め、結果的に“失敗した”という印象を減らすと考えています。
- 家庭での扱い方まで含めてサポートする
シリコン系の軟質裏装材は、長期使用で微生物汚染に注意が必要とされているため、日常の清掃方法が重要です。
そのため当院では、完成して終わりではなく、
- どの洗浄剤が向くか
- 強くこすりすぎないこと
- 乾燥管理
- 定期受診の必要性
までお伝えすることが大切だと考えています。
院長としての見解
私は、シリコンデンチャーとは“痛い総入れ歯のための最後の手段”ではなく、“通常の義歯では生活の質が落ちる方に対する有効な選択肢”だと考えています。
ただし、本当にその力を発揮するには、総入れ歯治療全体を丁寧に組み立てることが前提です。
大分でシリコンデンチャーをご検討の方には、ぜひ“素材名”だけで判断せず、入れ歯治療全体を見てくれる歯科医院かどうかを基準にしていただきたいと思います。
シリコンデンチャーとは?に関するよくある質問
Q1. シリコンデンチャーとは、普通の総入れ歯より必ず痛くないのですか?
結論として、痛みが軽減しやすい可能性は高いですが、必ず無痛になるわけではありません。
理由は、痛みの原因が噛み合わせや義歯の形にある場合、シリコンだけでは解決しないことがあるためです。
Q2. シリコンデンチャーはどんな人に向いていますか?
硬い総入れ歯で咀嚼時疼痛が強い方に向いています。
特に、顎堤吸収が強い方、粘膜が薄い方、通常の硬い義歯床では痛みが避けにくい方に適しています。
Q3. シリコンデンチャーの欠点は何ですか?
主な欠点は、清掃性や長期管理に注意が必要なことです。
軟質材料は微生物汚染に注意が必要で、定期的なメンテナンスや場合によっては張り替えが必要になることがあります。
Q4. 保険で作れますか?
症例や処置内容によって制度上の扱いは異なりますが、一般には自費診療として案内されることが多いです。
費用や適応の詳細は医院ごとに異なるため、事前確認が重要です。
【まとめ】
シリコンデンチャーとは、入れ歯の内面にシリコン系のやわらかい材料を用い、噛んだときの痛みや負担を軽減しやすくする義歯です。
特に、顎の骨が痩せている方、粘膜が薄い方、通常の総入れ歯では食事時の痛みが強い方にとって、有力な選択肢になり得ます。
一方で、
- すべての痛みが解決するわけではない
- 清掃と定期管理が重要
- 義歯全体の設計や噛み合わせが前提になる
という点も、正直に知っておく必要があります。
大分でシリコンデンチャーとは何かを調べている方、今の総入れ歯の痛みや違和感で悩んでいる方は、ぜひ一度ご相談ください。
たけお歯科クリニックでは、「本当にシリコンデンチャーが適しているのか」から丁寧に診査し、素材だけに頼らない入れ歯治療をご提案しています。
痛みを我慢しながら使う入れ歯ではなく、毎日の食事や会話が少しでも前向きになる入れ歯を、一緒に考えていきましょう。
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