歯科での医療費控除について2025/09/16(火)
大分市わさだの歯医者、たけお歯科クリニックの院長 武生智です。
今回は、「歯科での医療費控除について」お話をしていきます。
【目次】
1.医療費控除とは何か
2.歯科治療と医療費控除の対象
3.医療費控除の計算方法と上限
4.控除対象外となる費用
5.医療費控除を受けるための手続き
6.歯科での医療費控除活用のポイント
7.まとめ
1.医療費控除とは何か
医療費控除とは、年間に支払った医療費が一定額を超える場合、所得税や住民税の計算上、所得から控除できる制度です。
家計の負担が大きい医療費を税制上で軽減する目的で設けられており、医療費を支払った本人だけでなく、生計を一にする家族の医療費も合算して控除対象にできます。
この制度を活用することで、実質的に医療費の負担が軽くなるため、特に長期にわたる歯科治療や高額な治療を行う場合には、大きなメリットがあります。
2.歯科治療と医療費控除の対象
歯科での医療費控除の対象は、基本的に「治療目的で支払った費用」となります。
たとえば以下のような治療費は対象となります。
・虫歯治療や歯周病治療の診療費
・根管治療や抜歯などの外科的処置
・義歯(入れ歯)やインプラントの治療費(治療目的の場合)
・矯正治療(噛み合わせ改善や機能改善を目的とする場合)
一方で、美容目的の矯正やホワイトニング、予防処置(定期検診やクリーニング)は原則として控除対象外となります。
ただし、医師の診断により、咬合機能改善を目的とした矯正は対象になる場合がありますので、治療前に確認しておくことが重要になります。
また、通院費や交通費も医療費控除の対象となることがあります。
例えば、歯科医院までの公共交通機関の運賃やタクシー代、遠方から通院する場合の高速道路料金なども控除の対象になります。
3.医療費控除の計算方法と上限
医療費控除の額は以下の式で計算されます。
・医療費控除額 = 支払った医療費合計 − 保険金などで補填される金額 − 10万円(または総所得の5%のいずれか少ない額)
具体的には、年間の医療費が30万円で、保険金で10万円が支給された場合は以下のようになります。
・30万円 − 10万円 − 10万円 = 10万円(控除対象額)
つまり、控除額は10万円となり、この金額を所得から差し引くことができます。
所得税率に応じて実際の税負担が軽減される仕組みです。
注意点として、医療費控除の上限は200万円までとなっていますので、高額な医療費を支払った場合でも控除額が200万円を超えることはありません。
4.控除対象外となる費用
歯科で支払う費用の中でも、控除対象外となるものがあります。
代表的なものは以下です。
・美容目的のホワイトニングや審美治療
・健康維持のための予防クリーニング
・歯ブラシや歯磨き粉など日用品の購入費用
・個人的に購入したサプリメントや栄養補助食品
これらは治療目的ではなく、美容や予防、健康維持が目的となるため、医療費控除の対象にはなりません。
治療費と美容費用が混在する場合は、領収書を分けて保管し、控除対象の金額を明確にしておくことが重要ですのでお気をつけください。
5.医療費控除を受けるための手続き
医療費控除を受けるには、確定申告が必要です。
申告には以下の書類が必要となります。
・医療費の領収書
・保険金の支払額がわかる書類
・医療費控除の明細書(領収書を基に作成)
近年では、国税庁の「医療費控除の明細書」を活用して、電子申告(e-Tax)で申請することも可能です。
紙での提出も可能ですが、電子申告を利用すると還付金が早く受け取れるメリットがあります。
領収書は5年間の保存が義務付けられているため、治療期間中のすべての領収書を大切に保管しておくことが大切です。
6.歯科での医療費控除活用のポイント
歯科治療で医療費控除を最大限に活用するためのポイントは以下の通りです。
・治療目的を明確にする
矯正治療やインプラント治療など、美容目的と機能改善目的が混在する場合は、診断書をもらい、医療費控除対象であることを明確にしておくと安心です。
・通院費も忘れずに計上
公共交通機関の運賃やタクシー代、遠方の患者さんは高速道路料金も控除対象になります。
・領収書をまとめて保管
医療費控除は年間単位で計算するため、年初から領収書を整理して保管することが効率的です。
・家族の医療費も合算
生計を一にする家族の治療費も合算可能です。
お子さんや配偶者の歯科治療費も忘れずに計上しましょう。
・確定申告時に相談
税務署や税理士に相談することで、控除対象かどうか迷う費用も確認でき、正確な申告が可能です。
7.まとめ
歯科での医療費控除は、虫歯治療や歯周病治療、機能改善を目的とした矯正やインプラント治療など、治療目的で支払った費用を所得から控除できる制度です。
控除を受けることで、年間の医療費負担を実質的に軽減できます。
控除の対象となる費用、対象外の費用を正しく理解し、領収書を整理しておくことが重要です。
また、通院費や家族の医療費も含めて計算することで、控除額を最大限に活用できます。
治療内容によっては医師に診断書を発行してもらい、控除対象であることを明確にすることも有効です。
確定申告を適切に行い、歯科治療費の負担を少しでも軽くするために、医療費控除を上手に活用してみてください。
何かご不明点がありましたら当院までお気軽にご相談ください。
最近の投稿
月別表示
- 2026年1月(1)
- 2025年12月(2)
- 2025年11月(2)
- 2025年10月(2)
- 2025年9月(2)
- 2025年8月(2)
- 2025年7月(2)
- 2025年6月(2)
- 2025年5月(2)
- 2025年4月(2)
- 2025年3月(2)
- 2025年2月(2)
- 2025年1月(2)
- 2024年12月(3)
- 2024年11月(1)
- 2024年10月(2)
- 2024年9月(3)
- 2024年8月(1)
- 2024年7月(2)
- 2024年6月(2)
- 2024年5月(3)
- 2024年4月(3)
- 2024年3月(2)
- 2024年2月(2)
- 2024年1月(2)
- 2023年12月(2)
- 2023年11月(2)
- 2023年10月(2)
- 2023年9月(2)
- 2023年8月(2)
- 2023年7月(2)
- 2023年6月(2)
- 2023年5月(2)

